[ServiceNow]CAD試験に合格後、問題分析と演習問題を作成してみた。

ServiceNow認定資格、ServiceNow Certified Application Developer (CAD)試験の合格を目指す方を対象に、学習計画の立案や課題の洗い出しなどにご参考ください。CAD資格試験に、何とかギリギリ合格した受験体験をもとに、CAD資格試験の出題内容を分析し、学習分野の見直しをするため、演習問題を作成してみました。

背景

CSA資格を取得後、今回、CAD資格にチャレンジしました。結果は合格しました。しかしながら、合否結果がわかる前、てごたえは、問題数60問のうち、絶対に正答している、もしくはおそらく正答している問題が約7割程度でした。

おそらく、合格ラインぎりぎりでの合格だと思われたので、CAD資格試験の学習分野を今一度、振り返ろうと思いました。そこで、CAD試験に何とか合格した経験を活かして、試験問題を分析し、学習内容の見直しのために演習問題を作成してみました。

試験仕様書

ServiceNow Certified Application Developer (CAD)試験仕様書では、最後の項目で、”例題”としてサンプル問題が掲載しています。2023年4月更新のUtahリリースの仕様書になります。ご参考に、以下、CAD資格の試験仕様書を紹介します。

■CAD試験仕様書

試験仕様書は、ServiceNow公式学習サイト、Now Learingで、日本語版、英語版ともに確認できます。

サンプル問題

次に、試験仕様書の最後に掲載されているサンプル問題をみてみます。英語版の仕様書も確認したところ、英語版、日本語版で、掲載されているサンプル問題は同様でした。以下、日本語版の仕様書に掲載されているサンプル問題になります。例題として、5問を確認できます。

例題1. ビジネスルールレコードとは異なるスコープのテーブルに対して非同期ビジネスルールを作成している。次のデータベース操作のうち、非同期ビジネスルールの構成に含めることができないのはどれか?
 A. クエリ―
 B. 更新
 C. 削除
 D. 挿入

解答: A

例題2. 次のうち GlideUser (g_user) メソッドでないのはどれか?
 A. username( )
 B. getFullName( )
 C. hasRole( )
 D. hasRoleExactly( )

解答: A

例題3. ジョブを毎月の最終日に実行するようにスケジュール設定するには、どのように構成するか?
 A. [実行] フィールドの値を [定期的] に設定し、[繰り返し間隔] の値を [31] に設定する
 B. [実行] フィールドの値を [定期的] に設定し、[繰り返し間隔] の値を [最終日 (Last Day)] に設定
する
 C. [実行] フィールドの値を [月次] に設定し、[日] フィールドの値を [最終日 (Last Day)] に設定す

 D. [実行] フィールドの値を [月次] に設定し、[日] の値を [最終日 (Last Day)] に設定する

正解: C

例題4. データを ServiceNow にインポートする際、インポートセット内のフィールド名がターゲットテーブルのフィールド名と一致するかどうかを判断するために使用するユーティリティはどれか?
 A. 変換マップ
 B. 一致フィールドの自動マップ
 C. CI関係ビルダー
 D. ビジネスサービスマネジメントマップ

正解: B

例題5. グローバルアプリケーションファイルを管理している場合にできないのは、次のうちどれか?
 A. グローバルスコープからグローバルアプリケーションにファイルを追加する
 B. グローバルアプリケーションからファイルを削除する
 C. グローバルアプリケーション間でアプリケーションファイルを移動する
 D. スコープ対象のアプリケーションとの間でアプリケーションファイルを移動する

正解: D

問題分析

試験仕様書ではサンプル問題が5題しかないため、CAD資格試験を受験した経験も活かし、問題分析をしてみました。

まず、CAD資格試験を受験した実感ですが、サンプル問題がとても役立ちました。サンプル問題では、知識レベルの理解だけでなく、開発インスタンスを使い、実際に操作をして確認しておくことをおススメします。ハンズオン形式で学ぶことで、アプリケーション開発の設定方法についても深堀して習得できると思います。

さて、資格試験の仕様書と資格試験の受験体験から、ServiceNow資格のCAD試験内容は、以下の主題パターンに分類できるかと思います。 

用語の定義や意味

ServiceNow特有の用語について、定義や意味を問う問題になります。たとえば、以下のような演習問題例が、このパターンにあたります。「○○○とは、何ですか?」や「□□□の説明して正しいのは、どれですか。」のような、ServiceNowのアプリ開発で使われる用語を説明する問題になります。

演習1. “Guided App Creator”の説明としてもっとも正しいのは、どれですか。
 A. ガイダンスを利用して、アプリケーションの作成、データの定義、ユーザー体験の構成を迅速に行うことができる
 B. エンドツーエンドのデジタルワークフローを簡単に作成できる
 C. ServiceNow 製品を最新の API 対応システムと迅速に統合できる
 D. 使いやすいポータルフレームワークで、モバイルフレンドリーなセルフサービス体験をお客様や従業員に届ける

正解: A
[補足説明]Guided App Creatorを使うと、ガイダンスを利用してアプリケーションの作成できます。高速で使いやすいウィザードが、アプリの構築を支援します。
[参考資料]Guided App Creator(ServiceNowウェブサイト)

アプリケーション開発での設定手順

「アクションAを行った際、どうなりますか?」や「アクションBを完了するには、どのような設定をしますか。」のような、ServiceNowのアプリ開発における機能や選定方法における問題になります。

試験仕様書のサンプル問題ですと、例題3、例題4、例題5のような出題が該当します。たとえば、以下のような演習問題例が、このパターンとなります。

演習2. Excelスプレッドシートのデータをインポートセットでインポートする際の順序は、どれか。
 A. [変換マップの作成]→[データの変換]→[ステージングテーブルにデータのロード]→[データの移動]→[データの完全性を検証]
 B. [データ変換]→[変換マップの作成]→[ステージングテーブルにデータのロード]→[データの移動]→[データの完全性を検証]
 C. [ステージングテーブルにデータのロード]→[データの移動]→[変換マップの作成]→[データの変換]→[データの完全性を検証]
 D. [ステージングテーブルにデータのロード]→[変換マップの作成]→[データの変換]→[データの移動]→[データの完全性を検証]
 E. [ステージングテーブルにデータのロード]→[変換マップの作成]→[データの移動]→[データの変換]→[データの完全性を検証]

正解: D
[補足説明]データは、データソースからターゲットテーブルに直接インポートされません。データをインポートする手順は次のとおりです。(1)ステージングテーブルにデータをロードする。(2)変換マップを作成する。(3)変換を実行して、ステージングテーブルからターゲットテーブルにデータを移動する。(4)データの完全性を検証する。の順序となります。
[参考資料]データのインポート-データインポートのプロセス(ServiceNow Developer Program)

機能や設定の分類わけ

ServiceNowアプリケーション開発での機能や設定における分類分けに関する問題になります。

試験仕様書のサンプル問題ですと、例題2のような出題が該当します。たとえば、以下のような演習問題例が、このパターンとなります。たとえば、以下のような演習問題例が、このパターンに該当します。

演習3. “Guided App Creator”でアプリケーションを作成するとき、設定できるUser Experience (UX)は、どれか。
 A. クラシック
 B. モバイル
 C. スタンダード
 D. タブレット

正解: A, B
[補足説明]Guided App Creatorでアプリケーションを作成すると、”クラシック”と”モバイル”からユーザー エクスペリエンスでアプリケーションを使用できるようにすることができます。
[参考資料]Guided App Creator(ServiceNowウェブサイト)

APIの分類、用途や使い方

さいごは、アプリケーション開発におけるAPIの用途や使い方も、重点事項になります。たとえば、GlideRecord、GlideSystem、GlideFormやGlideUserなどのAPIになります。

サーバーサイドで使うのか、それともクライアントサイドで使うのか。また、どのようなときに、そのAPIを使うのかとあわせて、そのAPIでよく使うメソッドも覚えておきたい事項です。GlideRecord APIですと、用途はデータベース操作のときに使用される。使い方は、addQuery()、query()などのメソッドと一緒に、以下のような手順になる。

●GlideRecordのスクリプティング手順

  1. 目的のテーブルに対してGlideRecordオブジェクトを作成。
  2. クエリ条件として範囲を指定。: addQuery(), addEncodedQuery()
  3. クエリを実行。: query()
  4. GlideRecordオブジェクトで返されたレコードにスクリプトを実行。

ServiceNowのAPIは、たくさん提供されています。ServiceNow Developer Programの学習コースにあるScripting in ServiceNowで、”Client-side Scripting”と”Server-side Scripting”で扱われているAPIをまずは学習されることをおススメします。

●ServiceNow Developer Program: Scripting in ServiceNow
Server-side Scripting – GlideRecord

ServiceNow Developer ProgramのScripting in ServiceNowコースは、英語版のみとなりますが、アプリ開発でのJAPIの用途や使い方を①概要説明、②ハンズオンの形式で学習できます。学習コースで扱われているスクリプティングの参考例もありますので、ServiceNowで使われるAPIを学ぶ際にはおススメです。

さらに知識を深める【演習問題】

問題分析後、CAD資格の試験範囲、学習分野ごとに、演習問題を作成してみました。”Scripting in ServiceNow Fundamentals”コースや”Application Development Fundamentals”コースを修了後、知識の定着や理解の確認として、演習問題を活用いただけますと幸いです。

CAD資格試験の受験を今後考えている方は、試験前の力試しとしてお使いいたければと思います。演習問題にトライ後、正答率の低い学習分野について、資格受験前に復習する契機として、ご参考程度にご活用いただければと思います。

さいごまで、ご高覧いただきありがとうございます。

以上、”[ServiceNow]CAD試験に合格後、問題分析と演習問題を作成してみた。”となります。

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