[ServiceNow]メインライン資格一覧、費用、ロードマップと難易度【Vancouverバージョン】

ServiceNowでは、製品や機能に関する知識や操作のスキルなどを証明するための認定資格、CSAやCAD、CISなどがあります。資格一覧や費用と、資格試験を受験する際の前提条件や申込方法について、わかりやすく紹介します。また、ServiceNowパートナーの資格保有者数や資格試験の合格率や合格点についても、事例を交えて紹介いたします。

資格一覧と費用

ServiceNow認定資格は、メインライン資格とマイクロ資格の二種類あります。

Vancouverバージョンの資格試験(メインライン資格)
2023年11月16日より、Vancouverバージョンでの資格試験が開始となります。前回のUtahバージョンでの資格試験の実施は、2023年10月で終了しました。

メインライン資格は、テストセンターやオンラインでの試験監視が付いた試験での実施になります。一方、マイクロ資格は、試験監督官のいない環境で、 Now Learning によって提供されるオンラインでの試験になります。

今回、メインライン資格について、紹介します。(マイクロ資格については、別記事で紹介しています。)

●メインライン資格一覧
1. Administrator (管理者)【試験費用:44,880円(税込)】
-Certified System Administrator (CSA) 


2. Developer (開発者)【試験費用:44,880円(税込)】
-Certified Application Developer (CAD)


3. Application Specialist (アプリケーションスペシャリスト)【試験費用:44,880円(税込)】
-Certified Application Specialist – Performance Analytics (CAS-PA)

4. Implementer (実装者)【試験費用:67,320円(税込)】
-Certified Implementation Specialist – Application Portfolio Management (CIS – APM)
-Certified Implementation Specialist – Project Portfolio Management (CIS – PPM)
-Certified Implementation Specialist – Cloud Provisioning and Governance (CIS – CPG)
-Certified Implementation Specialist – Risk and Compliance (CIS – RC)
-Certified Implementation Specialist – Customer Service Management (CIS – CSM)
-Certified Implementation Specialist – Service Mapping (CIS – SM)
-Certified Implementation Specialist – Event Management (CIS – EM)
-Certified Implementation Specialist – Service Provider (CIS – SP)
-Certified Implementation Specialist – Security Incident Response (CSI – SIR)
-Certified Implementation Specialist – Field Service Management (CIS – FSM)
-Certified Implementation Specialist – Software Asset Management (CIS-SAM)
-Certified Implementation Specialist – Hardware Asset Management (CIS- HAM)
-Certified Implementation Specialist – Vulnerability Response (CIS – VR)
-Certified Implementation Specialist – Human Resources (CIS – HR)
-Certified Implementation Specialist – Vendor Risk Management (CIS – VRM)
-Certified Implementation Specialist – IT Service Management (CIS – ITSM)

実装者向けのImplementerでは、サービス領域ごとに分かれており、計16種類の資格が、現在提供されています。その他、CSA、CAD、CAS、CISの上位資格として、Certified Master Architect (CMA)やCertified Master Architect (CMA)があります。

日本語での資格試験(バウチャー)の費用
英語での資格試験、バウチャー費用をもとに、日本語での費用が決まるようです。また、1USD=136円の為替換算となっております。(2023年9月28日現在)
例えば、CSA資格試験のバウチャー費用は、300USDとなっています。日本語でCSA資格試験、バウチャーを購入する際には、バウチャー費用として、40,800円(=300USD×136円/1USD)に別途消費税10%が加算され、総費用44,880円となります。

メインライン資格試験のバウチャー費用ですが、CSA、CADとCAS-PAが300米ドル、CISが450米ドルであることが、ServiceNow公式の学習サイト、Now Learningで2023年6月3日に告知されています。詳細は、NowLearningの記事、「Cost of Taking the Certification Exams」(KB0011861)を一度、ご参照ください。

CSA、CAD、CASの試験費用は、税抜きで300USDとなります。CISの試験費用は、税抜きで450USDとなります。2023年9月28日現在、$1 (USD) = 136円(JPY)で換算されており、別途、試験費用に税金(試験費用の10%)がかかります。試験費用は、テストセンターでの受験によるオンサイトやオンラインの試験方法ともに、同じです。

資格保有者数

ServiceNow Communityでは、認定パートナーの資格保有数を公開しています。現在、ServiceNowパートナー各社のCSA、CADやCISのそれぞれの資格保有数を確認できます。

2023年7月31日時点、SeviceNowパートナーの資格保有者数は、
・CSA:2,131人
・CAD:507人
・CAS:10人
・CIS:1,614人
となっています。

CISはカテゴリー別に複数資格を取得できますので、おひとりでCIS-ITSMやCIS-CSMなどのCIS認定資格を複数保有している方もいます。

●Serviceパートナー資格取得状況

ServiceNow パートナー:認定資格取得状況一覧公開について(更新:2023年7月31日時点情報)

2023年7月31日時点のServiceNowパートナーの資格保有数について、表で可視化してみました。ぜひ、今後、資格取得をする際に参考にしてください。

ロードマップと前提条件

メインライン資格を受験するには、前提条件を満たす必要があります。また、CAD、CASやCISを受験するためには、Administrator(管理者)向け資格、CAS(Certified System Administrator)を事前に取得しておく必要があります。

今回、Administrator(管理者)向け資格、CSAとDeveloper (開発者)向け資格、CADについて、ロードマップと前提条件について紹介します。

CSA資格

まずは、ラーニングパスになります。各コースは、ServiceNow公式学習サイト、Now Learningでオンデマンドもしくは、トレーナーにライブ指導で受講できます。

■CSAラーニングパス

  1. Step0: ServiceNowって何?
  2. Step1: Welcome to ServiceNow
  3. Step2: ServiceNow Administration Fundamentals
  4. Step3: CSA資格試験

次に、CSA資格試験を受験するための前提条件になります。ServiceNow Certified System Administrator試験仕様書によると、ServiceNow Administration Fundamentalsコースを完了する必要があります。また、ServiceNow Administration Fundamentalsコースを受講する前提条件として、Welcome to ServiceNowコースを完了しておく必要があります。

■CSA必要なServiceNow トレーニング(前提条件)

  • Welcome to ServiceNow
  • ServiceNow Administration Fundamentals

“Welcome to ServiceNowコース”、”ServiceNow Administration Fundamentalsコース”の順に完了したあと、CSA資格試験申込みのためのバウチャーを取得もしくは購入できるようになります。ServiceNow Administration Fundamentalsコースをオンデマンドで完了した場合、バウチャーを別途、購入する必要があります。

英語での説明になりますが、Now Learning でCSAラーニングパスに説明コンテンツがあります。ぜひご参考ください。

●Now Learning: CSAラーニングパス
Certified System Administrator (CSA) Learning Path

CSA資格の試験構成や範囲については、以下の内容をご参考ください。

CAD資格

まずは、CAD資格のラーニングパスになります。CSA資格と同様に、各コースは、ServiceNow公式学習サイト、Now Learningでオンデマンドもしくは、トレーナーにライブ指導で受講できます。

■CADラーニングパス

  • Step1: Scripting in ServiceNow Fundamentals
  • Step2: Application Development Fundamentals
  • Step3: CAD資格試験

次に、CAD資格試験を受験するための前提条件になります。ServiceNow Certified Application Developer (CAD) 試験仕様書試験仕様書によると、Scripting in ServiceNow FundamentalsコースとApplication Development Fundamentalsコースをそれぞれ完了する必要があります。

■CAD必要なServiceNow トレーニング(前提条件)

  • Scripting in ServiceNow Fundamentals
  • Application Development Fundamentals

Application Development Fundamentalsコースを完了すると、ServiceNow Certified Application Developerに登録するためのバウチャーコードを取得もしくは購入することができます。

●Now Learning: CADラーニングパス
Scripting in ServiceNow Fundamentals On Demand [日本語]

Scripting in ServiceNow Fundamentalsコースは、日本語でオンデマンド形式で、現在提供されています。学習時間の目安は17時間22分で、コース費用は300USD(税抜)です。1USD=136円で換算すると、コース費用は日本円で44,880円(税込)になります。

●Now Learning: CADラーニングパス
Application Development Fundamentals On Demand

Application Development Fundamentalsコースのオンデマンド形式は、現在、英語版のみ提供されています。学習時間の目安は12時間19分で、コース費用は300USD(税抜)です。1USD=136円で換算すると、コース費用は日本円で44,880円(税込)になります。

Application Development Fundamentalsコースの日本語版は、現在、ンストラクター指導による形式で提供されています。

CAD資格の試験構成や範囲については、以下の内容をご参考ください。

CIS-ITSM資格

最後に、構築者向けの資格、CIS資格のラーニングパスになります。CISはサービス領域別に、複数の資格があります。今回は、保有者数が一番多いCIS-ITSMを事例として、説明いたします。

■CIS-ITSMラーニングパス

  • Step1: ServiceNow ITSM Fundamentals
  • Step2: ServiceNow ITSM Implementation
  • Step3: CIS-ITSM資格試験

CIS-ITSM資格試験の受験資格として、以下のトレーニングコースを完了する必要があります。

●CIS-ITSM必要なServiceNow トレーニング(前提条件)

  1. ServiceNow ITSM Fundamentals
  2. ServiceNow ITSM Implementation

ServiceNow ITSM Implementationコースを完了すると、Certified Implementation Specialist – IT Service Management (CIS – ITSM)に登録するためのバウチャーコードを取得もしくは購入することができます。

CIS-ITSM資格の試験構成や範囲については、以下の内容をご参考ください。

難易度

メインラインの難易度について、資格試験受験者の合格率や試験に合格するための最低合格点、得点率についての考察になります。

資格試験受験の自己体験談より

2022年8月にCSAを複数回受験、2022年12月にCADを1回受験しました。受験結果から考えると、メインライン合格するには、70%以上の得点率が必要だと思われます。

CAD試験の結果を送信する前、問題数60問のうち、①絶対に正答している問題、もしくはおそらく正答している問題が42問、②解答を2者択一まで絞れたが、正答に確信をもてない、もしくは全く正答がわからない問題が18問の割合でしたが、結果は”合格”でした。

コミュニティのスレッド会話より

ServiceNow Communityで、CSA資格試験の合格率や最低合格得点率についてのスレッドがありました。

●質問者:

CSA資格試験を受けて、70%のスコアを獲得しました。結果は不合格と表示されましたが、何が原因でしょうか?

▶回答者A:

あなたの総合スコアが低すぎただけです。正確な合格率は不明です。ServiceNowはメインラインの試験の合格率を公表していません。噂では、合格率は75%~80%程度と言われています。

▶回答者B:

少なくとも75%以上のスコアを取る必要があります。私は先週の木曜日に合格しました。次のテストも頑張ってください。

ServiceNow Communityのスレッド、”Regarding passing percentage of CSA Exam“で、内容をさらに確認できます。

ServiceNow認定資格 – Credentialing Program Guideより

ServiceNowは合格最低ラインを公表していませんが、”合格するには70%が必要”については誤った情報である。との見解をServiceNowは示しています。

受験者が試験で不合格になった場合、各セクションのパーセンテージがメールにて、現在提供されています。認定資格受験ガイドにて、各セクションの平均スコアは72.6%であっても、不合格となる事例を公表しています。Candidate Journey Guide (認定資格受験ガイド) の「試験結果を取得する-採点」の内容を一度、ご参照ください。

資格試験のスコアや合格率【2023年6月4日追記】

ServiceNow公式学習サイト、NowLearningのKnowledge Baseにて、”ServiceNowは、資格試験の受験者にスコアや合格率を提供していません。”と2023年6月3日に公表しています。

本記事によると、”資格試験の合格・不合格の結果のみ共有されます。  ServiceNow は試験の合格スコアや合格率を公開または共有しないため、ソーシャルメディアで読んだり見たりしたことは証明されません。”とのことです。詳細は、NowLearningの「Certifiation Exam Score」(KB0011863)をご参照ください。

プラクティステスト/過去問

試験仕様書を確認すると、資格試験の例題が、サンプルとして提示されています。たとえば、ServiceNow Certified System Administrator 試験仕様書 Utahリリースですと、以下の例題5問を確認できます。

例題1. すべてのユーザーが使用できるアプリケーションはどれか ?
A. Change 
B. Incident 
C. Facilities 
D. Self Service 

解答:D

例題2. ユーザーのグループに割り当てられているが、まだ個々のユーザーに割り当てられていないタスクのリストを表示するモジュールはどれか?
A. My Teams Work
B. My Groups Work
C. My Groups Tasks
D. My Teams Tasks

解答:B

例題3. ServiceNow での変換マップの定義として正しいのは次のうちのどれか ?
A. インシデントレコードの履歴を格納するために使用するマップ
B. 暗号化フィールドにデータを追加するために使用するマップ
C. 送信 Web サービスのキューにデータが格納される前にビジネスルールをトリガーするために使用するマップ
D. インポートセットに表示されるフィールドと既存テーブルのフィールドとの関係を決定するマップ

解答 : D

例題4. ServiceNow で、複数選択肢、1 行テキスト、選択ボックスはどの要素タイプに当てはまるか ?
A. 注文ガイド
B. 要求タイプ
C. 変数タイプ
D. 関連リスト

解答 : C

例題5. ServiceNow のスクリプティングに使用される言語はどれか ?
A. Java
B. AngularJS
C. JavaScript
D. Jelly

解答 : C

試験仕様書から例題を確認することができます。一方、ServiceNow公式学習サイト、NowLearningのKnowledge Baseにて、”ServiceNowでは、模擬試験や模範テストの提供は行っておりません。(ServiceNow does not provide practice tests or mock exams.)”と2023年6月6日に公表しています。

本記事によると、”試験の準備のために、以下のことを行ってください:

インストラクター主導のトレーニングを受ける: 電子書籍を復習する。
オンデマンドコース: コース内のモジュールと電子書籍(該当する場合)を確認する。
すべてのメインライン認定資格について、Now Learning Help Center にある試験ブループリントを閲覧して、試験のトピックを把握する。
ことを推奨しています。詳細は、NowLearningの「Practice Tests or Mock Exams」(KB0011860)をご参照ください。

資格試験の申込⽅法

ServiceNow認定の資格試験の申込方法について、紹介します。今後、ServiceNow認定資格のCSAやCADなどを受験される方向けに、バウチャーを取得後、試験予約のためのアカウント作成から試験申込までの流れを実際の画面を加えて説明しています。

もし残念ながら試験に不合格になり、再試験を受ける際には、ServiceNow認定資格の受験ポリシーに従い、再試験の手続きをします。実際に不合格なった際の申込画面を使いながら、再試験の申込方法を説明しています。

参考資料

ServiceNow認定試験の資格一覧、費用やロードマップについては、以下、資料を参考にしています。

以上、”[ServiceNow]メインライン資格一覧、費用、ロードマップと難易度【Vancouverバージョン】”となります。

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