ServiceNowのタスク管理とは?。タスク管理を上手に使いこなすことで、さらにより良く業務効率化です。タスク管理におけるタスク、拡張テーブルや割り当てルールについて、説明します。
概要
■目的:
- タスクおよび拡張テーブルの特徴を理解できる。
- タスクを割り当てる順序を理解できる。
- 事前に定義された割り当てルールを確認できるようになる。
■内容:
2.1.1: タスクとは
タスクとは、ServiceNowシステム上でユーザーが、何かの要求や依頼を担当者に割り当てるレコードのことを指します。ユーザーはタスクを作成し、タスクがワークフローに沿って移行すると通知されます。タスクは、特定のユーザーまたはユーザーグループに割り当てることができます。
具体的な事例ですと、ネットワーク障害で、インターネットを使用できない際に、情報システム部に障害復旧を依頼するための”インシデント”もタスクの一つです。また、入社したばかりの社員が、社員コードが分からない場合、人事部に自分の社員コードを確認するための”変更要求”もタスクにあたります。
2.1.2: タスクから拡張したテーブル
2.1.1: タスクで取り扱いました”タスク”と”インシデント”、”変更要求”の関係を説明します。インシデント、問題や変更要求といったテーブルは、タスクテーブルを拡張して作られたテーブルとなります。そのため、タスクテーブルは、ServiceNowのコアテーブルと言われています。
タスクテーブル内の標準フィールド、”作成者”や”期限”などを他のテーブル(インシデント、問題、変更要求など)で使用できます。つまり、インシデントや問題は、タスクテーブルから拡張されたテーブル(拡張テーブル)です。
タスクから拡張テーブルを作成すると、タスク固有の機能が拡張テーブルに引き継がれます。
●タスク固有の機能:
- 承認: 承認ルールにより、手動または自動で承認者のリストに承認を作成できます。承認は、ワークフローに組み込むことも、単独で使用することもできます。
- 割り当てルール: 割り当てルールに従って、ユーザーやグループにタスクを自動で割り当てることができます。
- サービスレベルアグリーメント: タスクが開始されてからの時間を確認できます。
- 滞留モニター: タスクが手つかずになっており、未対応になっていることを通知します。
- ワークフロー: ワークフローのプロセスは、アドミニストレータが設定し、特定の条件を満たすタスクに適用されます。条件を満たすタスクが作成されると、ワークフローはそのタスクに自動処理を適用します。
2.1.3: タスクの割り当て
タスクの割り当ては、以下のステップで行います。
- ユーザをグループに追加
- ロール(役割)をグループに追加
- タスクをグループに割り当て
- タスクをユーザに割り当て
情報システム部や管理部門のメンバーが少数の場合、業務タスクを先にユーザに割り当てるケースが多いと思います。そのような対応を継続すると、知識や経験が属人化してしまいます。ServiceNowでは、このようなリスクを回避するために、タスクを先にグループに割り当てて、その後、グループ内の特定ユーザーに割り当てるステップを構築しています。
2.1.4: 割り当てルールの確認
例として”インシデント”テーブルの割り当てを表示してみます。インスタンスは、”ServiceNow Developer Program”で作成したインスタンス、Tokyoバージョンを使っています。
■割り当てルールの確認
- ホーム画面のヘッダー内にある[すべて]ボタンをクリックします。
- アプリケーションナビゲーターで、”システムポリシー”と入力し、検索します。
- モジュール”ルール”内の”割り当て”をクリックすると、アサインルールのリストが表示されます。
- リストから”テーブル”が”Incident”、”名前”が”Networking”のレコードをダブルクリックすると、”Networking”のアサインルールのレコードがひらきます。
- [ルール適用先]タブをクリックすると、割り当てルールを適用するテーブルと条件を確認できます。ここでは、”インシデント”のテーブルに対して、”カテゴリ”フィールドが”ネットワーク”である条件を割り当てルールとして設定しています。
- 次に、[アサイン先]タブをクリックすると、割り当てルールを適用するアサイン先のグループとユーザを確認できます。この場合、”グループ”の”ネットワーク”をアサイン先としています。ユーザ欄は空白になっていますので、グループ、”ネットワーク”内の特定ユーザーにタスクを割り当てしていません。
確認
“タスクの拡張テーブルと割り当てルール”の概要で説明した内容を確認テスト形式で復習します。
問題文の右端にある[▲]ボタンをクリックすると、正解が問題文の下に表示されます。
問題1: タスクから拡張されるテーブルは、どれですか。
A. インシデント
B. 問題
C. 変更要求
D. 上記、すべて
正解1: D
問題2: タスク固有の機能として、正しくないものはどれですか。
A. ワークフロー
B. 承認
C. 滞留モニター
D. 自動ダウンロード
E. サービスレベルアグリーメント
正解2: D
問題3: タスクを割り当てする順序として、正しいものはどれですか。
A. [ユーザをグループに追加]→[ロールをグループに追加]→[タスクをユーザに割り当て]→[タスクをグループに割り当て]
B. [ロールをグループに追加]→[ユーザをグループに追加]→[タスクをユーザに割り当て]→[タスクをグループに割り当て]
C. [ロールをグループに追加]→[ユーザをグループに追加]→[タスクをグループに割り当て]→[タスクをユーザに割り当て]
D. [ユーザをグループに追加]→[ロールをグループに追加]→[タスクをグループに割り当て]→[タスクをユーザに割り当て]
正解3: D
参考
ServiceNowの知識やスキルをもっと高めたい方は、以下、リソース資料で学習されることをおススメします。
■学習リソース
- Welcome to ServiceNow [日本語]コース (ServiceNow公式: Now Learning)
- ServiceNow Fundamentals On Demandコース (ServiceNow公式: Now Learning)
- Now Platform 管理 (ServiceNow 製品ドキュメント)
以上、”[ServiceNow]10分で掴む! タスクの拡張テーブルと割り当てルール(タスク管理)”になります。